明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

おそろいのパジャマ 前編 類つく 空色さま

花沢 類と、一緒に暮らす事になった数日後、
「早く、早くっ!」と、急かされる様に、
今日はお引っ越しだ。


待ってましたと云わんばかりの晴天を見上げて、
「どんだけよ。」と、呟いてしまった。

雨より晴れの方が、嬉しいけどね。



大型トラックにちんまりと積まれた荷物は私物のみ。
「ね、ね、牧野は身体だけ来てくれれば良いんだよ。」
なーんて、云ってくれちゃって…。
…………………ふふふ。


あっ!と、言う間にマンションに到着して、エントランスから飛び出して来た花沢 類を見つけた時は、
ついつい、私もトラックから飛び降りて、
駆け寄ってしまった。


使用人頭の幸恵さんに出迎えられて、
これまた、あっ!と言う間に片付けられて行く荷物たち。
幸恵さんには公私共に、とてもとても、お世話になっている。
今では、使用人頭としての役目を越えてのお付き合いがある。



埃っぽくなった部屋を幸恵さんと二人で掃除して、
窓まで、ピカピカに磨いちゃった。


うん!すっきり。


今日から、二人の城だ。


ピカピカになったフローリングの上にペタリと座り、
「どうぞ、類様を宜しくお願いします。」
なんて、頭を下げられてしまい、
そんな……、いやいや、いえいえ…なんてやり取りをしていたら、
「何やってんの?」って、笑われてしまった。



ねえ、花沢 類。
すごく懐かしいものを、見つけたよ。

覚えてるかな?


あれは、私がまだ、道明寺の想い人なんて言われてた頃。
バイト帰りの突然の激しい雷雨に、頭の先から靴の中まで、びちょびちょに濡れちゃって、
動く事も出来ずに途方に暮れてた時。
血相を変えた花沢 類が迎えに来てくれた。


「だっ、だから、迎えに行くって言ったろっ!!」

「あんた、何やってんのっ!こんな事だと思ったっ!!」


見た事も無い怖い顔して、まるで荷物を積む様に、車に放り込まれた。

車の中でも怖い顔のまま一言も喋らず、
私の腕を、ぎゅっと掴んだきりだった。

花沢邸に連れて行かれ、
驚きを隠せない幸恵さんに、お風呂に案内されたんだよね。


あの時も、優しくしてくれたっけ。
いつもいつも、優しくしてくれたっけ。
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