見つけた 後編 類つく みかんさま
「お前、本当にその道でいいのか?」
「え?」
「明日咲く花をさがしているんだろう?だったら、この先に進んでごらん。」
そう言うと、その人は線の細い柔らかな顔で優しく微笑み、静かに語り出した。
「この先の道は薔薇の庭に続いているんだぜ。そこの薔薇の匂いを嗅いでいると、懐かしい思い出が蘇って来るかもしれない。だからといって、立ち止まって咲いている薔薇に触るんじゃねーぞ?その薔薇にはトゲがあって、怪我をすると前に進めなくなるからな。」
「…へえ」
「薔薇の誘いに乗らないで進んだ先に、永遠に咲く花があるはずだ。」
「わぁ___じゃあ、あたし…」
つくしがその道を行こうとすると、茶色いふわふわの猫っ毛に、ビー玉色の透明な瞳が眩しい王子様のような男が欠伸をしながら立ちふさがる。
「あんた___本当にその道でいいの?」
「え?」
「あんたの探している花は、本当にその先にあるの?」
そう言うと、その人は、薄茶のビー玉みたいな瞳を優しく緩ませて、ふんわりと微笑みながら誘う。
「この先の道はね、二人手を取り合って進む道なんだ。途中、偉そうな記憶を失った男や髪の長い女が妨害してくるかもしれないけど、決して手を離してはいけないよ?手を離したら最後、もうその先には進めなくなるから。」
「そうなんだ…」
「握った手を離さずに進むことができたら、その先には思い出の花が咲いているはずだよ。」
そう言うと、その王子様みたいに綺麗な人は少し寂しそうに微笑んだ。
あたし____
つくしが、迷った末に、選びとった道を進もうとしたその時、遠くで名前を呼ぶ声がして目が醒めた。
「___きの!____牧野!!」
「____んっ?」
つくしがぼんやりと目を開けると、「あの人」の花笑みが飛び込んできた。
___見つけた。
Fin
**
asuhana様
お誕生日おめでとうございます!
いつも、いつも、優しいお言葉をかけてくださりとても感謝しています。
そして、初心者のみかんを気にかけて、親身になって下さり本当にありがとうございますm—m
みかんは、優しいお姉さまに尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです^^
asuhana様にとって、本年が実りある素晴らしい一年でありますことをお祈りして、拙いですが小話をお贈りいたします。
受け取ってくださいね?返品不可ですw
天使の羽根・みかんの箱 みかん
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