明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

はじめてみよう 14

ブルッ
寒くない筈なのに‥背中に悪寒が流れる。

ここ数日で見慣れた筈のHANAなのに‥
なんだか、とっても大きく感じる。

まぁ、実際問題‥大きな会社に間違いは無いのだけど‥
ふぅー、そうなんだよね。
類は、ここの社長さん‥で、もっと大きな花沢物産の跡取り息子なんだよね‥

なんで、あたしに執着をするのだろう? なんでも持っている、あんなにも美しい人が‥
初恋コンプレックスなのかな? 
類の顔を見る度に、ドキドキしてしまう。
匠だって、そう匠だって決して類と退けをとらない美形なのだけど、類に感じる気後れはない。

「はぁっー」
人気のない社屋に入り、エレベーターに乗り込み、社長室のある階のボタンを押す。
もっと、のんびりエレベーターも進めばいいものの‥直通エレベーター‥あっという間に、最上階に着く。

「はぁっー」
ため息一つ、幸せ一つ逃げて行く。わかっちゃいるけど‥

「はぁっー」
足取り重く、社長室に向かう。
さっきまでは、カッカカッカしてたあたしはどこ行った?
奮い起こそうとするけれど、HANAの社屋を見たら、なんだか意気消沈。

「はぁっー」
何回目のため息だろう‥

トントンッ ドアをノックする。
「どうぞ」
類の声が聞こえてくる。重い身体に気合いを入れて、ドアを開ける。
「失礼いたします」
さっきの電話とは、打って変わってご機嫌な‥そうご機嫌な‥茜さんに、はにかんでるキタさん‥
えっ“ この和やかな空気はいったい何?
ねぇねぇ、何?何? 考えあぐねて‥類を見る

ハッとするほど、綺麗な笑顔で微笑んで
「茜社長と北村専務のご婚約のお祝いに、花沢の方の仕事も頼もうかと思ってね。お休みの所申し訳ないけど、お呼びたてしたんだ」
長い足を組み替える‥

茜さんは、大口契約に‥キタさんは、茜さんとの婚約に‥しごく満足げに微笑んでいる。

「昨晩は、このお二人の家に泊まったんだね」
類の目が怪しく光った‥

ヒャッ ば、ば、バレてる‥

茜さんを見れば、ウィンク一つして、キタさんを連れて
「では、花沢社長今後ともお付き合いよろしくお願い致します」
完璧な所作で、頭を下げて部屋を出て行く。

あっ、あたしも‥退出しようと思った瞬間

「牧野、そこ座んなよ」
類から、声がかかる。


「あっ、座る前にお茶淹れてくんない?」
にやりと男が笑う。

もはや、逆らう戦意をなくしたあたしは、お茶を淹れに席を立つ。

後ろから嬉しそうに悪魔が、着いてくる。


「はぁっー」

「ため息つくと、幸せが逃げてくんじゃないの?」

「もう、なんだか‥どうでもいい感じ‥」

「ぷっ、くくっ‥じゃぁさぁ」

「む、む、無理だから」

「まだ、何にも言ってないよ」

いやいや、そんな妖しく光る瞳の時は、絶対になんか企んでるもの

「じゃぁさぁ、嘘ついてたお詫びに、夕飯付き合ってよ。もうペコペコ」

「ざ、ざ、残念ですが‥あたしはお腹がいっぱいです」

言った瞬間‥ 


グゥッーーー

空気の読めないあたしのお腹の音は、静寂の中を響き渡る。


ゲラゲラゲラゲラ 笑ったあとに

「じゃぁっ、行こう」

悪魔が、笑いながらあたしの手を掴んだ。






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6 Comments

asuhana  

Re

yukikoさま
もうね、類類マジックでw

2016/05/19 (Thu) 20:34 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

ノエノエさま

うふっ匠だしねW 意味不明ですが‥
類がんがんとWWいきます

2016/05/19 (Thu) 20:34 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

Re

空さま
本当に
はじめちゃえW

2016/05/19 (Thu) 20:32 | EDIT | REPLY |   

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2016/05/18 (Wed) 23:59 | EDIT | REPLY |   

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2016/05/18 (Wed) 22:17 | EDIT | REPLY |   

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2016/05/18 (Wed) 22:14 | EDIT | REPLY |   

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