明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

被虐の花 21  あきつく

車窓に、大きな雨粒がぶつかり、滝のように流れている。

「あきらさん‥あたし‥」
小さく震えるつくしの身体を、抱き寄せる。

愛してるそう伝えたい。
だけど、お前は信じはしない。

だから‥俺はつくしに囁く
「お前は、俺に買われたんだよ」

愛おしい女がコクンと頷いて、ようやっと安堵したのか目を瞑る。
雨風の勢いは衰えず、車の窓を打ちつけている。


ズルイあたしは、あきらさんに凭れ掛かり目を閉じる。
彼の香りが、あたしを包み込む。

道明寺‥何年ぶりに会うのだろう。今更会ってどうするのだろう。
あの男に出会いさえしなければ、あたしの人生は平穏無事に過ぎていたのに‥

あたしの心を現しているかの様に、雨が風が車の窓を打ち付けている。

「つくし、つくし‥着いたよ」
いつの間にか眠っていたようで、彼に呼ばれて目を覚ます。

手を取られて、車を降りる。
出来るなら、このままマンションに戻って、あきらさんに抱かれたい。

降りた瞬間、強い風を感じる。


* **
いつにも増して重厚感を感じるロビーを抜けて、バーに向かう。

「腹へったろ?」
つくしに聞けば
「大丈夫‥」
「なんか腹に入れないと、悪酔いするから、飲む前になんか食べるんだぞ」
つくしが、コクンと頷く。

いつもの如く、個室に通される。
部屋の中から、むせ返る様な香水の匂いと女の騒ぐ声がする。

相変わらず尊大な態度の司を真ん中にして、女達が侍っている。
総二郎は苦笑して、類は五月蝿そうに眉を顰めている。

つくしを見つけた瞬間、類の顔がパッと輝く。
「牧野、こっちこっち」
自分の隣を指し示しながら、つくしを呼んでいる。

司が、女の胸を弄りながら
「ヨッ」
下卑た笑いを張り付けて、俺等に声をかけてくる。

もう飽いたとばかりに、女達に向かって
「もう、お前等帰れ」
冷たく言い放つ。

女が去っていた場所を、指し示し
「牧野は、ココな」
冷たく言い放つ。

司にとって、つくしは未だに憎い相手なのだろうか?
あの日から、聞けなかった思いが、俺の中で駆け巡っていく。

司の、総二郎の、類の視線がつくしに注がれる。

「あきら、いいだろう?」
唇が意地悪く歪んでいる。

「あぁ‥」
つくしと共に、司の傍に腰掛ける。

つくしの身体がほんの少し震えてる。
メニューを渡しながら、身体に手を添える。

訪れる静寂‥

飲み物とつまみが並べられていく。

「まぁっ、再会を祝して乾杯でもしようや」
総二郎の言葉に合わせて、グラスが傾けられる。

グラスの酒を一気に煽った司が、つくしを見て
「今度は、あきらに取り入ってんのか?」

「司、牧野は美作の秘書として俺に着いてるんだ」

「へぇー 何の秘書だよ。下半身の秘書かよ」
酒を呷り

「1億ぐらい俺が出すから、俺の秘書になれよ。なんならもっと出してやろうか?」

総二郎と、類の視線が俺とつくしに注がれる‥



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6 Comments

asuhana  

あおさま

ぷぷっ♪
爆発してもいい?w

2016/06/28 (Tue) 19:54 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

haruwoさま

総ちゃんww ぐふふっ あんまり活躍しませんww

あきらが唯一色々な事を吐露できるのは総ちゃんだと密かにおもっているので
その内? 


逆ハーレム あははっ たしかに♪

2016/06/28 (Tue) 17:34 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

yukikoさま

F4を嫌な奴に書くのは、これまたお初なので、書いては消してを繰り返しちゃいましたー
被虐の花は、自分なりに色々初体験なので、毎回ドキドキしておりまする。



月夜 うふふっ 楽しみにしてて下さいな。
雪さんという人も登場予定w

2016/06/28 (Tue) 17:30 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/28 (Tue) 07:00 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/28 (Tue) 01:32 | EDIT | REPLY |   

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2016/06/28 (Tue) 01:27 | EDIT | REPLY |   

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