明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

被虐の花 25  あきつく

つくしが倒れ、目を覚まさないと塚本から連絡が入った。
かかりつけ医に連絡を入れ、つくしの受け入れをお願いする。

一旦、社に向かい、業務の確認をした。
幸いな事に予定をずらせる事のみだったので、
松木に頼んでスケジュールの調整を行ってもらった。
今日と明日と土日を併せて4日間の休暇を取った。


「あきら様‥つくし様は大丈夫でいらっしゃいますか?」
松木は、つくしと俺の全てを知っている。
懐刀をと爺様が付けて下さったのだ。

「あぁ、迷惑をかけて申し訳ないが宜しく頼む」
「畏まりました」


「塚本が居る時で良かった」
その事に、安堵するとともに‥
嫌がるつくしを、昨晩司に会わせてしまった事を、俺は後悔していた。

点滴を受け、眠るつくしを見た瞬間‥
このまま目を覚まさなかったら、と恐怖が襲って来た。

医師から説明を受ける。
一度目覚めた時、興奮状態になったので、
今現在は薬で眠っているが、
CTもMRIも異常は見受けられないと言う。

「目覚めて話をしてみないと、はっきりとはわかりませんが、
解離性障害の再発かと思われます‥」


つくしの傍らで、目覚めるのを待っている。
血の気を失った肌は、透けとおるような白い肌を作っている。
まるで作り物の人形のようだ。

「早く、目を覚まして、あきらさんって呼んでくれ」

眠る女に、声をかけた。



スマホが揺れている。
「はい‥」
松木から連絡が入ったようで、心配した爺様が連絡を寄越したのだ。
医師から受けた説明を話す。全てを聞き終えた後‥
なんでも力になってくれると約束してくれた。


* **
あたしは、夢を見ている。

暗い森の中をあたしは一人で、歩いている。
暗闇は、どこまでもどこまでも続く。
果てる事など無い程に…

突如、暗い森の中に、柔らかい光が差し込む。
温かい温かい陽の光が差し込んでいる。

陽の光で、あたしは微睡む。幸せに幸せに。


柔らかな香りに包まれて、あたしは目を覚ました。
あきらさんの瞳が、心配げにあたしを見つめている。

「‥あきらさん‥ごめんね」

柔らかく首を振りながら
「大丈夫だよ。俺がついてるから‥眠ってていいよ」

柔らかな光に触れる為にあたしは、手を伸ばす。
あきらさんの指先が、あたしの手をとり微笑む。

「あきらさん‥」

あたしは、心の底から安堵して目を瞑る。
穏やかな眠りに落ちていく。


目が開き、俺の名を呼んだ。

こんな時でも、謝罪の言葉を発する。
つくしの手が伸びて、俺の指先を求めてくる。


つくしがこの世の中に、存在してくれる。
それだけで、俺は幸せなんだと気が付いた。

空白の時間に、何があったのか‥
二人で立ち向かっていこうと覚悟を決めた。

傷が癒え、俺の元を去って行くのなら、喜んでそれを見送る。



日向が似合うお前に戻れ、
穏やかに寝息を立て眠るつくしに、呟いた。





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6 Comments

asuhana  

あおさま

幸せになるには、もうちょいだ!頑張る(^_^ゞ

2016/07/02 (Sat) 18:57 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

yukikoさま

腹を括ったあきらは、一番強い気がしません?
なんとなく


台風避けてくれですね~

2016/07/02 (Sat) 18:56 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

haruwoさま

残業お疲れ様です。

くくっ思わず笑ってしまいました。
ムフッ♪

2016/07/02 (Sat) 18:53 | EDIT | REPLY |   

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2016/07/02 (Sat) 07:03 | EDIT | REPLY |   

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2016/07/02 (Sat) 02:54 | EDIT | REPLY |   

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2016/07/02 (Sat) 01:41 | EDIT | REPLY |   

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