ずっとずっと 42
毎朝あたしは、薫に起こされる。
ぼーっとしているあたしの髪を梳かしながら、1日の予定を話す。
あたしの目が覚めた頃、朝食をとる。
「ほらほら、サラダも食べて‥ コーヒーは?」
薫は甲斐甲斐しくあたしの世話をやく。
「薫、過保護すぎだよー」
「ん?いいの僕の趣味だから」
「えっー 何それ?」
毎朝のように繰り返される会話‥
あたし達2人を見つめる かおるちゃんと悠斗
「ねっ、あたし達いるって忘れてない?」
「あぁ 絶対忘れてるよな‥…」
「あのぉー」 「オイ」
「「あっ、ゴメン」」
「ルゥさんって、いつもこんな感じなの?」
「なぁ、薫いつもそんなにしぃの世話やいてんの?」
「でしょーー 過保護すぎだよね。今日はかおるちゃんと悠斗がいるからいい方だよ。」
「別に過保護じゃないよ。悠斗だって似たようなもんだろ?」
「オ,俺は、そ、そんな事ないぜぇ」
「さっきから見てたら、言葉に出さないだけで、僕と同じようにカオちゃんの世話してるよ?」
「うっ‥…」 「えっ」
「クスっ 確かにそうかも‥… 薫と悠斗って、お世話大好き人間なんだね」
「そっ、だから過保護じゃなくて、僕の娯楽だからとらないでね」
「はいはい。解りました。」
「うん。」
お酒に弱いあたしが外で飲むのを薫があまりいい顔をしない。
4人で飲む時は、もっぱらペントハウスで飲む形になっている。
昨晩は4人で盛大に盛り上がり、2人が泊まっていったのだ。
「悠斗とカオちゃんは、いつ婚約発表するの?内々ではもう終わってるんだったよね。」
「年が明けてからになるかなー」
「祥子さんも、カオちゃんのお母さんも衣装選びで大変なんじゃないの?」
「蓉子叔母さままで加わって、私そっちのけで盛り上がってる。」
「しぃちゃんも婚約パーティーには来てくれるよね?」
「勿論出席させて貰います。大好きな2人の大切なパーティだもんね」
ねっ と、薫を見上げると
「必ず、2人で出席させて貰うよ。筒井のお爺様にも2人の婚約パーティーには、しぃちゃんと2人で出席するように言われてるからね。」
「あぁーー良かった。しぃちゃん筒井のパーティー以外、つぅ爺がダメっていうじゃない。だから心配だったんだ」
「しぃちゃんも衣装作らないとね。」
「えっ” あたし主役じゃないし、筒井のパーティで着たのでいいよ。」
「ダメダメ。2人で出席するのにバラバラの衣装じゃ、お婆様達に怒られちゃうよ」
「で、でも勿体ないよ」
「あの2人が、しぃちゃんがそんな事言ってるって知ったら、逆に大事になると思うんだけど‥…お爺さま達まで加わったらどうなると思う?」
「‥た、たしかに‥…薫の言う通りです。」
「ねっ。」
*****
セミナーが今週末から始まる。その準備でバタバタしていて
司からの連絡がここしばらくないのに気が付いたのは、少したってからだった。
この時は、いつものようにただ忙しくって時間がとれないだけだと思ってた。
少しずつ少しずつ 嵐が近づいて来てたなんて
あたしは気が付いていなかった。
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥

にほんブログ村
♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥