君の天使 34 司つく

車を降りた２人の目の前には、秘書尾形が待っていた。
なんで、秘書がつくかって？
ククッ‥尾形、なんかカッコイイんだ。
キリッ　パリッ　としててね。

司に向かって、恭しく一枚の書類を出して来る。
ニコッと笑って
「ワリィな、有り難う」

「専務、つくしさんお幸せに。今日のこの後の予定は全てキャンセル済みですので」
満面の笑みを浮かべて尾形が、去っていく。

何となく、シューニャとオレ
つくしと司でその姿を見送った。


「ホレッ」
「ホレッて‥」

司に紙とペンを手渡される。

「後はお前の名前だけだ‥」

つくしの瞳にウルウルと涙が光る

「証人欄‥ババァと親父にサインしてもらった‥牧野の父ちゃん達がそうしてくれって‥‥」

「パパが？」
「あぁ、親父さんもお袋さんも進も喜んでくれてた」
「って‥いつ行ったの？」

司‥つくしを引き抜いた２日後には、自分の両親は勿論、つくしの両親に挨拶をしてたんだ。

「あたしが、OKするなんて保証ないのに？」
「とりあえず、お前は俺の元にきた。だったら、何かの拍子に間違えてOKするかもしんねぇだろう？」
「‥バカ‥」

婚姻届けを提出して、晴れてつくしは道明寺つくしになった‥‥

って、司に担がれて‥‥る？

「ちょっちょっ‥ちょっと‥な、な、何やってんの」
車に押し込められて‥着いた場所はメープルホテル
「俺、もう限界‥」
つくしに、熱い熱いキスが降って来る。
司のキスが降って来る。


今日と言う日が終わりを告げる、深夜０時。
２人は、笑って目を見合わせる。
６年前の日付が変わるこの時間、つくしは司に別れを告げた。
顔も見ずに、電話一本で別れを告げた。
何度掛けても繋がらない電話。わからない行方。

司は、その時‥つくしの本気を見た。

って、一気になんでこんなに詳しくなってるかって？
クククッ　それはね‥目の前の男が、あぁだ、こうだ、恨みつらみを、つくしにネチネチとぶつけてるんだ。

「‥わかった‥あたしが悪かった」
「ったく、本当だ。一人で抱えやがって‥それにしても、アリエネェよな」

アリエネェが出たら、リフレインの始まりだ。

つくしが、ふわりと司を抱きしめて
「ゴメンね」

司がニヤリと笑って
「じゃぁ、もう一勝負」

２人の夜は更けて行く。


《　ふわぁっーーーー　それにしても眠い　》
《　ほわぁっーーーー　うん。眠いね　》

２人で眠る‥

翌日には、関係各所津々浦々に入籍事実が報告されて‥
翌々月には、結婚式が執り行われた。

結婚式には、トモと杏奈嬢は婚約者同士で式に出て、その日から丁度半年後‥２人もメープルで結婚式をあげた。

つくしがいる限り、寺沢も調所も、道明寺HDとは提携すると張り切っている。
全部まとめて、上手くいった。

今じゃ、夫婦揃って仲良くしてる

気になったのは、あの日を境に尾形が消えた事‥
なのに、誰も‥その話題に触れない事。
秘書は、須田さんという尾形には似てもに使わない男性。
昔からこの人だったんだって感じの会話。

スフィルと２人で首を傾げた。

ふわぁっーー　色々考えてると眠くなちゃって
スフィルと２人で、欠伸する。

この頃‥とってもとっても眠いんだ。

トモと杏奈嬢も上手くいったし、
そろそろ次のターゲットを見つけなきゃなんだけど

ふわぁ〜〜　上の瞼と下の瞼がくっ付きそうだよ。
ほわあ〜〜　シューニャの瞼もくっ付きそうだよ。

２人で眠る。

眠りに落ちる瞬間‥
っん？尾形？

あれ？





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