明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

曇天  4 あきつく

赤い赤い夕焼け空を見上げる。
昼と夜の中間。不思議な時間。
牧野は美作さんみたいだといつも言う。
夕焼け空の時間は短い。漆黒の闇がいつの間にか辺りを覆う。

「美作さーん 待った??」
「待ってないよ」
「ホント?」
手をとり、俺の温度を確かめる。
「今日はホントだね。」
束の間の幸せ‥…
手を触られて喜ぶなんて、小学生か!と、自分で自分にツッコミを入れる。
だけど、それが真実なんだからしょうがない。

「‥…でね、って、ちゃんと聞いてた?」
「あっ、ゴメン。で、何だって?」
「もぉー 今日は食事どうする?って聞いたの」
「ゴメン ゴメン 牧野が嫌じゃなければ、今日は俺ん家に来る?昨日、実家から美味い肉貰ってきたんだ」
「お肉? 行く行くーー」
「アハハッ ついでに夢乃さん特製スイーツなるものも預かってるよ。」
「えっ” 嬉しいぃー じゃあ何か必要なもの買ってから行こう」

俺等の住む街の商店街で買い物をする。
「商店街ってウキウキするよねー」
なんて言いながら色んな店屋を回る牧野。
「流石に俺が買い物するの、スーパー止まりだわ」
「えぇーー そうなの?今度の日曜日付き合ってあげるから商店街で買い物する?昼間の方がもっと楽しめるからさぁー」
「あぁー そうして貰おうかな。」
「うふっ そうしよ。そうしよ。」
「クレソンとズッキーニとトマトだけでいいの?」
「あぁーあとは買い物してあるから大丈夫。」
「あっ、あとバゲット買ってこう。パン屋は‥…」
「「ポワール」」
2人同時に同じ店の名前。それが何だか可笑しくて2人で笑う。

**

美作さんは本当に不思議な人だ。
その場、その場に すーっと溶け込んでしまうのだ。
それが、街の商店街であろうと、高級料理店であろうと‥極々自然に溶け込んでしまうのだ。
あたしの心の中にも すーっと溶け込んできたのは、美作さんの持つこの雰囲気のせいなのだろうか?

あたしはこの10年、道明寺を思い出す出来事を極力避けて生きてきた。

自分の思いだけではどうにもならない恋は余りにも辛くて、その全てを忘れたいがために、あたしは皆を避けて生きてきた。五木に入社したのも関西本社の会社だったから。まさかそれが東京に転勤になるとは‥…いつか皆と会ってしまうのだろうか?と、少し怯えていたのに、偶然再会した美作さんは、そんなあたしの心を軽くしてくれた。


この10年、恋もした。プロポーズをされた事もある。でも、もう一歩踏み込めない自分が居た。
あの雨の日の別れは、あいつを傷つけ、あたしの心をボロボロにした。
ずっと逃げて生きてきた。このまま逃げて生きて行く筈だった。

だけど美作さんは不思議な人‥… すーっとあたしの心に入ってくる。極々自然に。
いつの間にか、次の約束が出来る人。また明日が笑顔で言える人。

*****

「お邪魔しまーす」
「はいどーぞ。鞄と上着はココに置いて、これエプロン。落ち着いたらクレソンとトマト洗ってくれる?」
「うふっ、ホントにお料理ちゃんと作ってるんだねぇー」
「っん?」
「そういうキッチンだよ。」
「そうか?生活感ありありって感じ?」
「ううん。そう言う事じゃなくて、キッチンが温かいの。あっ、温度の事じゃないからねー」
「あははっ 流石に温度の事じゃない事くらい解るよ」
「そりゃ、そうか えへっ」

話しながら取り出した、お肉は美味しそうな霜降り牛のステーキ肉で‥…
キュルキュルゥルぅーーー あたしのお腹が盛大に催促をした。

「「アハハッ」」
肩を震わせ笑う美作さんと 笑うしかないあたしの 笑いのハーモニー


「美作さん‥… 凄い美味しいぃーー」
「だろ?牧野に是非とも食べさせてやりたかったんだ。お前、凄い美味そうに食べるじゃん?肉もそんな風に食べて貰ったら幸せだろう?」
「あははっ ありがとう。芸は身を助く?って、感じ?」
「あははっ そうかもな」
「ポワールのバケットととも合うねー 特にこのソース美味しいぃ」
「おっ、サンキュー それ俺の自信作。」
「に、しても牧野、マジ美味そうに食べるよなぁー 食べ物が喜んでるぜ。」

二人で料理して(あたしは手伝っただけだど) 二人で笑いながら食べる食事は
美味しくて美味しくて 時間があえばまた一緒に料理しようねと約束してた。

美作さんとの時間は、なんて優しくて居心地がいい時間なんだろう。




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