明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

ずっとずっと 43

「しぃちゃん、行くよー」
「はーい」
薫の運転する車に乗り込み、セミナーに向かう。

「しぃちゃん緊張してる?」
「う、うんちょっとしてるかも‥…」
「あははっ 大丈夫、大丈夫。僕達がやった勉強会の方が余程高度だと思うよ。」
自信たっぷりに言う薫。 
「このセミナーはね、TSUTSUIの後ろにある力を得る為に出るものだと僕は思ってる。ここで得るのは人脈だよ。あとはあくまでも机上の空論に過ぎない事だからね。だからしぃちゃんはしぃちゃんのままね。」
「はい。」
「クスッ 宜しいでしょう。」
「薫はぁ!もう〜」
プクっと膨れるしぃちゃんの頬を指でつつく。
「ぷしゅぅっー」
「あははっ、本当に音が出るもんだね」
「あぁーっ またあたしで遊んだ!!」
「くくっ ゴメンゴメン」

***

あたしの気負いや緊張をいつもいつも、薫は優しく解きほぐしてくれる。
そっと春風のように優しく。

「しぃちゃーん ルゥさーん おはよう♪」
「かおるちゃん 悠斗 おはようー」

4人でセミナー会場に入る。
もう既に他のメンバーは来ていたようで、それぞれに会釈を交わす。

金髪紺碧の人がいるかと思えば、漆黒の髪に褐色の肌を持つものもいる。

参加者は
ジョン  (ジョアン•リックマン 27才 アメリカ人)
ノア    (ノア•エバンズ 23才 アメリカ人)
ナダー   (ナダー•ハムド•アクトゥーム 25才 アラブ人) 
クリフ   (クリフ•バークレイ 24才 イギリス人)
イニー  (イニヤス•アベラール 28才 フランス人)
マリア (マリアーノ•トロヴェジ 22才 イタリア人)
ヨーナ  (ヨーナス•メリネン 26才 フィンランド人)
フィル(フィリベルト•モーレンカンプ 25才 オランダ人)

薫、悠斗、かおるちゃん、あたしの 12名で構成されている。
女性はあたしとかおるちゃんの2名のみになる。
それでも女性の参加は珍しいらしく、とても驚かれた。

これからの1年間同じセミナーで過ごす仲間だ。
彼等はセミナー以外の時は、インターンシップ扱いでジュエルの各部署に配属される。
土曜は9時から19時までの丸一日。平日は17時から22時半迄がセミナーになる。
日曜日を覗き自由時間など無いに等しい1年間になる予定だ。

ここ迄の説明を聞き、しばし呆然となるあたし‥‥
1年間の拘束となると、来年迄まとまった休みがとれない事となる。
2月のNYは?8月のNYは?どうなるのだろう?

うーーーん なんとかなる? 2週間は無理でも1週間なら?
あとで、薫に聞いてみよう。
そして、いざと言う時は力になって貰おうと固く心に誓った。

***

「薫‥…あ、あのねちょっと聞きたいんだけど‥…」
「っん?」
「セミナーの初っ端からで申し訳ないんだけど‥…でもこんな事、薫にしか聞けないし‥、あのね、まとまったお休みって取れるのかな?あ、あの、あたし‥…2月あっ、ここは3月でも構わないし、8月は9月でも構わないんだけど‥…ここら辺で2週間は無理でも1週間くらいお休みって貰えるのかな?」
僕の目を見つめながら真剣な表情で聞いてくるしぃちゃん。

僕は心臓がえぐられる程の衝撃をうける‥
しぃちゃんは、道明寺司 に会いに行く為に休みを取りたいのだろう。

「きちんと確認しなくっちゃ確かな事はわからないけど、きちんと課題をこなしていけば、途中で休みも取れるんじゃないかな? 無理だったら僕がなんとかお爺様と掛け合ってみるよ。」

休みなんてなくても僕は構わない。むしろ彼女を連れ去る休みなど僕には不要だ。
でも今の彼女にそんな事を伝えたら、このままこの場所から消えてしまうかもしれない。
だって、彼女はまだ何も失うものを持っていないのだから。

そうだ、彼女は失うものが何もないのだ。ここの場にいる他の者と違い、彼女はまだ守るべきものを何も持たないのだ。僕は、君を失わないために君の願いを叶えよう。


「薫 いつも力になってくれてありがとう。」
「どういたしまして。お姫様」
「もぉーーお姫様じゃないってぇ〜」

しぃちゃん 君は僕の大切な大切なお姫様だよ。
君が望むなら、何でも君に与えよう。
君が望むなら、僕の全てを君にあげるよ。
僕は君のしもべだから。
だからお願いだ。僕の傍にいておくれ。

「薫 どうしたの? 何か疲れた? 具合でも悪い?」
「っん。大丈夫だよ。」
「なら良かった。たまに薫具合悪そうにしてるから心配になちゃったの。」
「ありがとう。ちょっと疲れがたまったかな?」
「なら、今日はつくし特製お鍋にでもしようかなー」
「おっ、いいねー 疲れが全部吹っ飛ぶよ。」
「あっ、そう言えば、つぅ爺が話しがあるって言ってたから、ついでに来てもらう?」
「うん。じゃぁ連絡しておくよ。」
「よろしくお願いしまーす」
「じゃぁ また後でね」

小さく手をふり、カオちゃんの所へ戻っていった君。

*****

「しぃちゃーん。お土産持って来たぞぉー青葉のモンブランだぞ」
「しぃちゃん ルゥ君 お邪魔します」

「いらっしゃい お爺様、お婆様」
「うわぁーモンブラン嬉しいぃー♡ あっ、いらっしゃいませ。」

しぃちゃんと僕の2人で用意したお鍋を囲み和やかに食事をする。

「このお鍋、しぃちゃんとルゥ君2人で作ったの?うふっ本当に美味しいわぁー ルゥ君が作ったものを食べれるなんて思っても見なかったわ。しぃちゃん本当にありがとうね。これからもルゥ君を宜しくね。」
ふるふると可愛らしく首をふりながら‥…
「雪乃さん。薫にお世話になりっぱなしはあたしなんですよ。こちらこそ宜しくお願いします。」

「しぃちゃん、薫と2人で暮らし始めたと聞いたが、不都合はないかな?」
「あっ、はい。快適に暮らしてます。」
「そうか。そうか。」
ご機嫌に笑う筒井のお爺様。


「さて、1月の神楽と新倉の婚約発表の席に薫としぃちゃんも出席して貰いたいんじゃが‥2人から話しは聞いとるかな?」
「あっ、はい。2人で泊まりに来た時に招待されました。薫と一緒にぜひ出席して欲しいって」

「あのね…実は亜矢ちゃんと相談してね、ルゥ君としぃちゃんの衣装を作ってしまったのだけど‥着て貰えるかしら?」
「えっ” あ、あ、あのぉ‥あんまり豪華なのは‥」
「そんなに、華美にはしてないつもりよ。主役はあくまでも悠斗君とカオちゃんだからね。」
「あっ、はい。」
「あぁ〜 良かった。亜矢ちゃんと2人でついつい楽しくって作ってしまったの。しぃちゃん達の意見も聞かずにゴメンなさいね。」
「ごめんなさいなんて、どうも有り難うございます。有り難く着させて頂きます。」
クスクス笑う僕をちらりっと見るしぃちゃん。
声を出さずに
おそかったね   と、言ってみた。
少し眉を八の字にしながら うん。と頷いていた。

パチンッ 
この時、駒が一つ進んでいたことを…僕も君もまだ気づいていなかった。



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