シーソーゲーム 7
薔薇男も、若も、元気のないあたしを気遣ってくれる。
ビー玉んは、静ちゃんのワンコに成り下がってる。
横目で静ちゃんを観察する。
静ちゃんは、確かに綺麗だ。頭もいいし、スタイルもいい。あたしに対するしつこさ以外は、性格だって良い。あたしだって、静ちゃんのしつこさに困る事はあっても、静ちゃんが大好きだ。
だけど、なんか‥嫌だ。静ちゃんなんて嫌いだ。
突如湧いた自分の感情にあたしは、驚愕する。
えっ?コレってなぁに?
目の前のビー玉んが憎くて憎くてしようがない。
なに、ヘラヘラ笑ってんのよ‥ バカッ
「あ、あたし、やっぱりお腹が痛いみたい。だ、だから今日はお昼ご飯はいらないや。また今度奢って」
あたしは、サロンから走って逃げる
「牧野‥」
後ろの方で、花沢類以外の声がした。
花沢類は、あたしを引き止めもしなかった‥
家に帰りつくと、千恵子が心配そうにあたしを見る。
「うぅうぅ‥う‥っ ひっく ひっく」
泣き出したあたしに、千恵子がオロオロし始める。
大声であたしは泣く。千恵子が優しくあたしの頭を撫でてくれる。
優しく撫でてくれるのが、心地好くて、泣きながらあたしは寝ていた。
泣いて寝たら、お腹が空いた。
そうだ。そうだ。お腹が空いたからあたしは、悲しくなちゃったんだよ。
なんて思う。
ピンポーン
あたしの家に誰?
千恵子もといママが玄関に向う
「はーーーい」
「お、あっ、つくしーつくしー 西門さんと言う方がお見えよぉー」
千恵子があたしに告げる。
若が私に何用?なんて思いながら、玄関に向う。向うって言っても数歩歩けば、玄関だけどね。
「あっ、はーい」
「ヨッ つくしちゃん。」
若が爽やかに微笑む。
オヨヨッ。クラクラしちゃう。
「っん?」
「忘れもん。」
あたしの鞄を、若がニッコリと微笑み手渡してくれる。
「あとコレ。弁当食っちまったからお詫び!」
若が差し出したのは、あたしの大好物のベーカーリハラダのメンチカツパンにコロッケパン
女心を掴むのには‥‥ 胃袋を掴むべしべし‥ アレッ?ちょっと違ったかな〜なんて思いつつも
若の優しさにホロリ
ニッコリ微笑んでドッグパンを差し出す若に
ポッ 胸が高鳴っちゃった。
その瞬間‥
キラリンッ☆ 時代劇好きな千恵子の瞳が輝いた。
千恵子が若と話す。流石‥若!如才ない
あらっ、まぁっ ほぉっ で、何故か‥
お友達価格という名前のもと、西門流へのあたしの入会が決まっていた。
えっ、お、お、お茶かい‥
うひょん‥
如月の各所に西門総二郎の名が告げられる。
そう、あたしの花婿候補者の一人として若の名前が加えられたのだ。
勿論、この時のあたしは、それを知らない。
この時のあたしは、メンチカツパンとコロッケパンを両手に持って、うーーんどっちにしよう?なんて暢気に考えてたんだから。
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