アーモンドのチョコレートを齧って 総つく

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あなたと会えない日曜日‥
真っ白な壁に寄りかかり、座り込む。
意識は空を飛び、あなたを思う。
どうして、違う人を愛せなかったんだろう?
よりにもよって、どうしてあなただったんだろう?
いくつもの何故を頭に浮かべながら‥‥
アーモンドのチョコレートを、かりりと齧る。
甘い甘いチョコレートが、口の中に広がって行く。
**
唯一無二のあたしの男が、あたしを手招きする
「つくし‥来いよ‥」
するりと、ベットに潜り込みあたしのために作られた身体に寄り添って、口づけを交わす。
美しい手が、指が、舌が、あたしの全身を愛撫する。
脇の下から指先でゆっくりとなぞられる。
乳房を手のひら全体で包みこまれるように揉まれ、ゆっくり円を描くように指先が、乳首の周りを愛撫する。
螺旋はゆっくりと乳首に向かっていく
指先が唇に変わる。円を描くようにゆっくり優しく乳首の周りを愛撫する。
唇で舌で乳首を絡めとる。
たったそれだけなのに、あたしの身体はビクンッと仰け反る。
太ももを、弧をかくように、指先で愛撫される。
顔を埋めて、花の蕾を舐められる。
ジュルジュルと音を立て、蜜が溢れ出していく。
ビチャビチャと花芯を舐める音がする。
トロトロに蕩けた蜜が、あたしの太腿を流れ落ちて行く‥
男の指が熱い花芯を割り入り、ゆっくりと螺旋を描いた。
魔物の様にあたしの中を弄ぶ。
肉襞を押し分け指先をクイッと曲げる。
巧みな指使いに、躯が翻弄される。
「…あっ…あぁっあぁ…あんっ…あぁ」
「相変わらず‥すげぇ締め付けだよな‥」
あたしの身体が熱く疼き‥…あたしの秘所が男を迎え入れる
男が腰を動かす度に、肉襞が男のものを銜え込む。
「あっ あぁーー」
熱い吐息が漏れる‥
「‥‥ぁっ‥あぁ‥うっ‥お‥お‥願い‥」
男は、あたしを見下ろして動きを止める。
「なにがお願いか、言ってみろよ」
あたしは、恥ずかしくて首を振る。
男は意地悪く笑いながら
「だったら、ずっとこのまんまだ」
「‥‥ちょう‥い‥そう‥うのを‥総二郎のを‥頂戴‥お願い‥」
「そんなんじゃ、ちっとも聞こえねぇな‥何がどこに欲しいのか言ってみろよ」
「‥‥お願い‥‥総二郎のをあたしに挿れて‥」
男が腰を激しく激しく打ちつける
「あぁあぁーーあぁあぁーー」
腰をくねらせ、男の動きに身を合わせ、淫らに乱れる‥
意識を手放し、潮を吹く。
この男の齎す快楽に、あたしは溺れて堕ちて行く。
幾つもの夜を重ね、
幾つもの愛を囁いて、
幾つもの快楽を貪った。
だけど‥‥朝は一緒に迎えない‥
あなたは、あたしをベットに残して去って行く。
一秒でも長く続けて行くために、それが二人で決めたルールだから。
一度破れば、また望んでしまうから。
お互いがお互いを欲してしまうから‥
眩しい朝陽の中、アーモンドのチョコレートだけを齧って過ごす。
「‥‥してる‥愛してる‥」
チョコレートを齧りながら呟いて、目を瞑る。
豪奢な部屋の中で、孤独なあたし。
あたしは、愛人
この部屋で、あなたを待って、セックスを貪る。
あたしは、愛人
この部屋だけが、あたしの全て。
あたしは、愛人。
あなたと繋がっている、その思いだけで生きている。
目を瞑り、あなたが触った手順で、あたしはあたしの身体を弄ぶ。
よがり声を出し、あたしは自分の身体を弄ぶ。
姿見に映ったあたしは、淫らで美しい。
おかっぱ頭のあたしは、もう居ない。
純粋だった‥あたし、もう居ない。
あなたの訪れる夜を待つ。
シルクの毛布に包まって‥あたしは眠る。子猫のように‥
総二郎を愛して‥
一体幾つの思いを裏切ったのだろう。
なぜ‥差し伸べられた手を取れなかったのだろう‥
よりにもよって、一番愛していけない人の手をとってしまったのだろう‥
総二郎を愛すると決めたあの日、あたしは全てを捨てた。
女として平凡な幸せは勿論、友も、思い出も全てを捨てた。
それなのに‥時折考え込んでしまう。
考えても、考えても‥
答えなど出ないのは充分承知の筈なのに‥
夕方6時を回る頃、総二郎の好きな献立を用意する。
来るか来ないか分からないのに、用意する。
今日は、総の大好きな治部煮を作ろう。
カタカタとお鍋が湯気を立てる、お塩をひとつまみ入れて、青菜を茹でる。
トントントンと胡瓜を切って、塩を振る。
しんなりしたら、若布とチリメンジャコに三杯酢を合わせて味見をする。
「うん。美味しく出来た。」
外食の多い総のために、沢山の野菜を使って、料理を作る。
一品一品増えて行く料理のように、溢れ出るこの思い。
学生時代の友が知ったならば‥なんと言うのだろう‥
食事の用意を整えたあたしは、
下原稿に取りかかる。
外に出なくて良いように、学生時代に培った語学で、翻訳家の仕事をしている。
ビジネス文書の実務翻訳から始まって、今は学術書、文芸翻訳を手掛けている。
ここまで来るのに、7年の月日がかかった。総二郎との不毛な関係も7年という事だ。
人生には、何故あの時が、幾つも存在している。
よりにもよって、何故 西門総二郎だったのだろう‥
あの夜‥嵐にさえならなければ、
いいえ‥一線さえ超えなければ‥
何度も、何度も考えた。
嵐にならなくても‥早いか遅いかだけで
結果は同じだったのかも知れない。不義の恋。
不義の恋から始まったあたし達の関係は、陽の目を見ることなどなかった。
ぁははっ‥ 渇いた笑いが口の端から漏れていく。
そう‥道明寺を裏切ったあたしには、幸せになるなんて許されなかったんだ。
様々な事が走馬灯のように、あたしの脳内を過る。
辛かった‥でも‥思い切れなかった‥
RRRRR‥
「30分後に着く」
用件だけ言って切られる電話。
時計の針は10時を指している。
「この時間だと、もうゆっくりはしていられないよね」
一人呟いて、シャワーを浴びる。
タオルで身体を拭きながら、鏡を見る。
総二郎が美しいと言ってくれる、磨き抜いた素肌が映っている。
美しい男に負けぬよう‥入念にお手入れを欠かさない白い白い肌。
瞬時に、 戦きが襲ってくる。
あと何年‥総二郎をあたしの虜にしておけるのだろうと。
フルフルと首を振る、哀しい考えを頭から押し出すために。
白い肌を彩る、黒のレースのナイトウェアを素肌に羽織りながら、小指で紅をさす。
鏡に向かって薄らと微笑んだ瞬間‥
チャイムの鳴る音がする。
今までの杞憂は全て消え去り喜びが訪れる。
急ぎ足で、出迎えにいく‥
ガチャリッ
「総二郎‥お帰‥」
途中まで言葉を発したあたしの前にいたのは‥従者を引き連れた総二郎の奥様。
柳眉をピクリと持ち上げて
「あら、うちの主人は、もうじきこちらに来るのかしら?」
美しい訪問着を身に纏い、ドアの前に立っている。
惨めだ‥‥
一寸の隙のない女性の前に、淫らなルームウェアを纏ったあたし‥
彼女が正妻で、あたしは愛人‥
服装が、わかりすぎる程の真実を物語っている。
次のチャイムが鳴った後‥
あなたと、あたしの関係は、どう変わって行くのだろう?
こんな状況なのに‥あたしの身体は疼いている。
疼いて蜜を溢れさせている。
もう一度、もう一度だけ‥でいい‥
そうあたしの身体は、訴えている。
口の中を、アーモンドのチョコレートの味が蘇る。
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