天使ちゃん メロンズ 類つく
もっともっと好きなのが食べる事。
この頃のあーちゃんは、非常に忙しかった。
うんっ?何に忙しかったかって? それはね‥
「だめでしゅ マモン ちゃんとねんねしてくだしゃい」
「えぇー ちょっとだけ、ちょっとだけよ」
「だめでしゅ メロンズ まだポンポンに いたいっていってましゅ」
「だ、だ、大丈夫よ‥ねっ」
「メッでしゅ」
そう、マモン‥つくしの管理で忙しかったのだ。
誰が何を言っても、安静なんて言葉とほど遠い生活をしていたつくし。
流石に、6月に入って‥もう少しだけ安静にと医師からお達しが出たのだ。
俺の言う事なんて、ちっとも聞かない。
父さん母さんの事は、柔らかく言いくるめる‥で、無理をしようとするつくしの事を、花沢家の最終兵器‥あーちゃんに頼んだのだ。
あーちゃんは、凄いの一言だ。
流石、つくしの娘だ‥絶対にひかないのだ。
今回は、食べ物にだって負けない。
何故かって? まぁ‥それは‥あーちゃんの母を思う気持ち‥なんて事はなく‥白桃のお陰だ。
いちご、さくらんぼ、メロン、マンゴーについで‥強烈に白桃に恋をして‥
「あたち、いちごで さくらんぼで、しょちて、ももになりましゅ」
高々と宣言するほどに。
この白桃とトレードに、つくしの監視役を請け負おったんだ。
これぞ、食い意地の成せる技だと、父さん母さん共々感心したもんだ。
そんな生活も、先週でやっと終わって、
今はお腹の中の俺等の天使の誕生を今か今かと待ちわびてる状態だ。
あーちゃんの日課は、つくしのお腹に話しかける事だ。
「メロンズ おしゃよう」
から、始まって、いただきます。行ってきます。ただいま‥etc様々な事を話しかけ
「メロンズ おやしゅみ」
で、一日を締めくくる。
そんな日課も、今日で終わりを告げる。
今度は‥お腹じゃなくて、直接話しかける毎日が待っている。
そう‥もうじき生まれる。
メロンズが‥ 俺等のもとにやってくる。
俺の手を握りしめ
「ッパ あーちゃん ドキドキしましゅ‥マモン いたいいたい だいじょうぶでしゅか?」
「大丈夫だよ。マモン頑張れって、応援してあげようね」
「あい」
「あーちゃんも、こうやって生まれてきたんだよ」
「あーちゃんも でしゅか?」
「ぐるぐる回りながら、うんしょうんしょって、沢山沢山頑張って、マモンと、ッパの所に来てくれたんだよ」
「メロンズもがんばってましゅね」
「そうだね、メロンズにも、頑張れって応援してあげようか?」
「あい 3にんとも がんばれでしゅね」
「そうだね」
つくしが、分娩室に運ばれて‥1時間が過ぎた頃‥
オギャァー オギャァー と大きな大きな産声が2つ聞こえた。
全ての処置が終わってから、あーちゃんと2人で分娩室に入ったんだ。
つくしが、美しい顔でにっこりと微笑んだ。
「絢、類‥生まれたよ。2人とも‥応援ありがとうね」
初めてご対面するツインズに、あーちゃんは目を真ん丸にさせながら
「マモン、ッパ、たいへんでしゅ メロンズ キラキラでしゅ」
そうだねキラキラだよね。
あーちゃん、君もこんな風にキラキラ輝いて生まれて来てくれたんだよ。
あーちゃんが、メロンズに釘付けの合間に俺はつくしの額に口づけを落とす。
「お疲れさま。ありがとう‥」
感謝の気持ちを伝えながら。
視線を感じて振り向けば
「ッパも、マモンもキラキラしていましゅ」
そう言って、ニッコリと微笑んだんだ。
キラキラメロンズは‥こうやって俺等のもとにやって来た。
メロンズが、あーちゃんに顎で使われるようになるのは‥
それは、また違う未来のお話だ。
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