バカ言ってるんじゃない 06 司つく
一体コイツは、何台車を持っているのだろうか?もしや、お金持ち?そんな事が一瞬頭を過った。
だけど‥そんな事が、あたしに何の関係があるのか?
で、至った結論‥
『まぁっ、そんなのはどっちでもいいじゃん』だった。
だってそうでしょ?相手がお金持ちだろうが、そうじゃなかろうが‥目の前の男の性格が良くなるわけでも、ましてや、突如良い人に変わるわけでもないだから。
「おはようー」
「ヨッ」
ジロッと睨めば‥
「‥‥おっ‥はよう」
「うーん。ちょっと怪しいけど、まぁ合格!」
まぁ合格‥? すげぇ合格だろうよ‥とは、おっかなくて声に出せずに‥
「おぉー」
なんて、意味も無く返答をする。
俺、何でコイツを前にすると文句が言い返せないのか?うーん‥うーん‥
なんか、コイツのでっかい目を見てると‥何もいえなくなんだよな。
いやいやいや‥NYでの説教が余程答えたんだ‥な。
ホラッ 俺ってナイーヴだろう?
コイツみたいに、強く出来ちゃいないんだ。
おぉ、そうだ。そう言うことだ。
「っん?どうした?」
「あっ、いや‥課長の所に土産なに持ってくのかって‥な」
「おっ、道明寺気が利くねー グフフッ 優秀♪優秀♪」
「優秀?俺は元々優秀だ」
「あははっ、知ってるよ」
ニッコリ微笑む。おっ、素直だと中々コイツも可愛いじゃん。
「あっ、でも‥今日は事前に用意してあるから大丈夫だよ♪あっ、コレは道明寺にあげるね」
ガサコソと、持って来た紙袋の中から引っ張りだして、俺にくれる。
「っん?なんだ」
「ハーブ石けんと、ハーブクッキー。こないだお土産で頂いたハーブを使って作ったんだよ」
ニッコリ笑って手渡してくる。
って、て、て、手作りか‥?って、って、って、もしやコイツ俺の事が好きなのか?
「っん?なんか顔赤いけど、どうした?熱でもあんの?」
そう言いながら、右手を伸ばして俺の額に手を触れる。
キィッーキッキッーキー
心底ビックリした俺は、前の車にあわやぶつかりそうになって、慌ててブレーキーを踏む。
「ご、ご、ごめんなさい。突然手出したからビックリしちゃったよね」
「あっ、いや‥大丈夫だ。俺こそ驚かせて悪かった」
「ううん。あたしがビックリさせちゃったから‥本当にごめんね」
しおらしく謝って来る。
キュンッ っん? キュンッ ズッキュン
えっ“‥‥
いやいやいや‥‥この説教女にあり得ねぇ‥
うん。あり得ねぇ。
ふぅっーーー 俺、しっかりしろ!
赤信号で車が止まる。隣を見てみれば‥
クゥスカ、クゥスカ‥幸せそうな顔して寝てやがる。
《あっ、道明寺!ホ‥ト‥バカ‥なん‥‥らぁ‥ムニャムニャムニャ》
って、な、な、なんだ?‥夢の中でも、俺バカ呼ばわりか?
ハァッーー ったく、コイツ‥マジか?
プップー
後ろの車にクラクションを鳴らされ、慌てて車を発進させる。
ぐっすりと眠る女を乗せながら‥‥
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