バカ言ってるんじゃない 07 司つく
「牧野、牧野、起きろ 着いたぞ」
《うーーーん、もう食べにゃれないぃーー》
もう食べれないって‥コイツの夢って奴は、俺に文句言ってるか、何か飯食ってるか‥そんなのばっかりだよな。
先週も、その前も、またまたその前も‥そんなんバッカだ。
コイツの頭ん中って、いったい全体どうなってんだ?
一度,詳しく聞いてみたい所だが、薮から棒に突いて‥なんか違うもんを出しちまったら大変だから。
ココは一つ慎重にいかなきゃだな。
ってか、
「牧野、朝だぞ、朝」
「あっ、はーい」
パチリッと音がしそうな感じで目を開く。
「着いたぞ」
「うん。おはよう」
おはよう‥か‥ククッ‥ったく、色気もくそもありゃしねぇよな。
「牧野、涎出てんぞ」
「えっ、やだもうぉー」
慌てて、口許をハンカチで押さえてる。
「出てねぇよ」
今度は、プクゥッーーと膨れっ面しながら
「バカ道明寺!」
なんて怒ってる。
クルクル良く変わる表情が面白くって、ついついからかいたくなっちまう。
で‥最後には、バカ道明寺で締めくくられる。
解っちゃいるけど、止めれない。
「なぁ、牧野‥お前一日に一体何回俺に〝バカ〟って言えば気が済むのか?」
そう聞けば‥ “うーーーーん” と真剣に悩んだあとの答えが
「計り知れないって感じ?」
なんて、サラッと言ってケタケタ笑う。
文句を返そうとした次の瞬間‥玄関が開いて百瀬夫妻が登場する。
百瀬女房が、「つくしちゃーん、道明寺くーん」黄色い声で出迎える。
牧野が土産を手渡すと、心底嬉しそうな顔をする。
口が裂けても言えないが、百瀬が嬉しそうにそれを見てるのがなんだか心地良くて。誘われるままに邪魔しちまう。
「はい」
そう言って手渡されたのが、着替え一式と麦わら帽子。
向かった先は、裏庭の畑。
クククッ 天下の道明寺司が‥土曜日の昼下がり‥何故か畑仕事だ。
「道明寺—見て見て、ホラッ」
「グッ」
「ププッ、なにその顔」
ミミズを嬉しそうに見せながら、嬉しそうに笑ってる。
シャワーを浴びて汗を流し終えたら、取って来た野菜で料理を作ろうと張り切る牧野と共に、何故か俺までキッチンに立つ。
どうでもいいが、何か俺‥ほのぼのし過ぎって奴じゃねぇか?なんて事をチラッと思うけど‥
こんなんも悪くねぇよな。
まぁ、経営戦略課内で企画しているのが、自社ファームの建設だから、大きくかけ離れてもいないのだがな。
「道明寺、手元が休んでるよ。ホラッちゃんと洗う」
牧野に顎でこき使われながらも、出来上がったものの味は格別だったりするんだよな。
「道明寺君、つくしちゃんと一緒にいると幸せそうね♪」
百瀬女房に、こそっと言われ‥
いやいやいや‥と首を振る。
首を振ったあとに‥牧野をそっと見る。
ヤベッ、牧野がなんだか光って見え‥る???
って、光ってる?
「なぁ、なんだそれ?」
「っん?なに?あぁコレ? あははっボディパウダーだよ」
ふっーー ったく‥紛らわしいもんつけてんなっ。
ふっーー ヤベェヤベェ
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