シーソーゲーム 47 類つく
「つくし」
柊兄ぃの優しく包む声がする。
心の中で、ゴメンナサイ ゴメンナサイ と謝りながら‥
あたしの舌は、嘘を吐き、楽し気に今日一日の事を報告する。
4日目の夜
「朝一の飛行機に乗るから、夕方にはそっちに戻れると思う。
ゆみさんに御礼がてら迎えに行くからね」
そう告げられた瞬間‥‥身体の中から血の気がひいていくのが解った。
怖い‥柊兄ぃに会って秘密がバレてしまったらと思うと、怖くて怖くてたまらない。
でも‥あと10日は、バレない様にしなければいけない。
これは、あたしのシーソーゲーム。
負けられないシーソーゲームだ。
「お土産まってるね。おやすみなさい」
平静さを装い電話を切った。
類は、あたしの心を鼓舞するために電話をくれる。
嘘つきな舌が、今度は愛を囁く。
RR‥
「つくし」
愛おしい人が呼ぶ声に、胸が高鳴る。
他愛も無い会話が、幸せを笑いを連れてくる。
類は、あたしに愛する喜びを愛される喜びを教えてくれる。
柊兄ぃを裏切っているのに、あたしは幸せを感じている。
我ながら、酷い女だと思う。
なのに‥‥あたしの舌は、抜けぬけと愛を語っている。
暗い夜が明け、朝が訪れる。
夜がもう一度訪れる頃、柊兄ぃがあたしを迎えにくる。
「ゆみさん、お久しぶりです。つくしが大変お世話になりました」
柊兄ぃが、あたしを抱き寄せながら挨拶をしている。
抱き寄せた手が、“逃しはしない” そう告げている。
この手を振りほどきたいと願うのに、あたしは微笑む。
車の中でも柊兄ぃは、あたしの指を離さない。
指と指を絡ませながら
「つくし‥つくし‥つくし‥会いたかった」
胸に引き寄せてそう呟く。
屋敷に戻り、部屋に戻ろうとしたあたしの腕を掴み、
「今晩は、一緒の部屋だよ」
そう微笑む。
「‥‥なんで?」
あたしの問いに
「なんでって?俺等は恋人同士で、許嫁同士だ。
もうじき対外的にもきちんと婚約も整うんだよ」
「でも‥でも‥」
「誰も叱りはしないから大丈夫だよ」
「でも‥でも」
同じ言葉を繰り返して、首を振る。
「じゃぁ、お茶を飲む時間だけでも一緒にいて」
そう言って、メイドが持って来たお茶を勧められる。
カウチに腰掛け、お茶を飲む。
柊兄ぃが、あたしの横に腰掛け、髪を撫でながら
「小ちゃな時みたいに、三つ編みにしてあげようか?」
そう言いながら、器用にあたしの髪を編んで行く。
首筋に、柊兄ぃの指先が触れる。
次の瞬間‥唇が、舌が、あたしの首筋を這ずりまわる。
服を脱がされて、隈無くチェックする。
「消えちゃったね。またちゃんとつけないとね」
そう言いながら、ベッドに寝かせられ、紅い花を咲かせられる。
目を瞑り、下唇を噛みながら、この時間が通り過ぎるのを待つ。
「ねぇ、そんなに嫌?」
目を開けて、柊兄ぃの顔を見る。
柊兄ぃは、薄く笑って、あたしの両腕を右手で掴み上げ、
もう片方の手で胸を弄ぐらられて、胸の頂をコロコロと舌で転がされる。
儀式ではない、柊兄ぃの愛撫が始まる。
「柊兄ぃ‥お願い止めて‥」
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥


♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
- 関連記事